【アメリカで代理母出産体験談】出産〜初めまして。私たちがママとパパだよ〜

こんにちは。アメリカ在住、2017年に代理母出産で息子を授かったさっこです。
「代理母出産」を必要とし、真剣に考えている方々のために、私の体験談をシェアしていきたいと思います。
これまでの話を読んでいない方は、順番にこちらから読んでもらえると嬉しいです。
今回は、第7話「出産」について、書いていこうと思います。
破水
それは、突然起こりました。妊娠36週と4日目のことでした。
深夜2:15分、電話が鳴り響きました。飛び起きた私たち、とっさに口から出てきた言葉は、「きた!」
彼女からの電話でした。
「破水した。これから、パートナーに知らせて、子ども達の段取りをつけてもらうので、私のことを迎えにきて、病院まで連れて行って欲しい。」と。
「20〜30分くらいで着くから。」と伝え、パパッと身支度を整えました。
病院へ持っていく「ホスピタルバック」の準備や赤ちゃんの部屋の準備は、つい1週間前に終わらせたところでした。
「ホスピタルバッグ」については、こちらをお読みください。
「満月に合わせて、早く生まれるかもしれない」という、彼女の言葉を信じて、早めに準備万全にしておいてよかったです。
驚くことに、その日は満月の夜でした。
携帯電話のテキストを通して、私たちの場所を伝えながら、彼女の家に到着。すぐに彼女を乗せて、病院へ向かいました。
その間も陣痛は、不規則にやってきます。
病院で
病院に着くと、彼女は助産師さんに連れていかれました。
私たちは「バースプラン」の通り、本陣痛が始まるまで別室で待機です。
「バースプラン」については、こちらをお読みください。
当直だった助産師さんから「出産まで、まだ少し時間がかかるだろう」と聞かされ、ホッと一安心。
彼女のパートナーが到着するまで、待てそうな感じだったからです。
朝6:30頃、彼女のパートナーが到着しました。
彼の口から「なかなか本陣痛が始まらないことに、彼女はナーバスになっている。夜中に起こしてしまった私たちに申し訳ない。」と、聞きました。
そんなこと微塵も感じていなかったし、プレッシャーを与えているつもりもありませんでしたが、ホルモン状態が不安定な彼女にとって、私たちの存在は、ストレスになっていたのでした。
午前7時を回り、義両親に病院にいることを伝えました。初孫が誕生するとき、彼らも病院にいたいと望んでいたからです。
急いでくる必要はない旨を伝えましたが、9時すぎには、義両親も病院に到着していました。
彼女の部屋へは、誰も会いにいきませんでした。私たちでさえも。
プレッシャーを感じる存在でしかない、今の私たちにできることは、ただ静かに待っていること。それだけでした。
本陣痛
旦那くんと二人、ウトウトしていた午後6時。私たちの部屋の電話が鳴りました。
本陣痛が始まったというお知らせです。
助産師さんから、陣痛の間隔がもう少し短くなるまで、このまま待機して欲しいと指示を受け、従うことにしました。
それから、1時間15分が経過した、午後7時15分。看護師さんが私たちのことを呼びに来ました。
部屋に行くと、必死にいのちを産み出そうとしている彼女の姿がありました。
バースプラン通り、私は出てくる赤ちゃんを受け止める準備をします。
感動の対面
彼女の部屋に入ってから、27分後のことでした。
赤ちゃんが、出てきました。
私の手の中に降りてきてくれた赤ちゃんを、助産師さんと一緒に支えながら、絡まっていた臍帯をクルクルッとほどきます。大きな声で泣く赤ちゃん。気づくと、私も赤ちゃんと一緒に泣いていました。
元気な赤ちゃんを産んでくれた彼女のところに、赤ちゃんを見せに行きます。
彼女は「おめでとう」と言ってくれました。
私たちは、感謝の言葉を見つけられないまま、「ありがとう。ありがとう。」と言っていたように記憶しています。
その後
40分くらい、その部屋で「スキンtoスキン」をしながら、過ごしました。
彼女が休みたいと申し出たので、私たちは、赤ちゃんとともに部屋を移動。義両親と義祖母に新しい家族を紹介しました。
その晩は、私たちのベッドの隣に、赤ちゃんのベッドをくっ付けて一緒に寝ます。
生まれた時から、100%人工ミルクでの育児。私も彼女も母乳を赤ちゃんに与えることは考えていませんでした。
2時間おきにミルクを欲しがる赤ちゃんのために起きることも喜び。オムツを交換することも喜び。全てが喜びに満ちていました。
そんな中、彼女の病室が慌ただしくなり、彼女は、隣接する総合病院へ搬送されることになりました。
産後の出血が止まらないため、万が一を考えての搬送です。
朝方、助産師さんから、「彼女の容態は落ち着いている、彼女も今日中に退院できるだろう」という連絡が入り、心からホッとしました。
結局、彼女が赤ちゃんを抱くことはありませんでした。
彼女の要望で持ち込んだ、お祝いのシャンパンも開けないまま。
そうこうしているうちに、小児科医による診察でゴーサインが出たので、私たちは、赤ちゃんとともに家へ戻ることになりました。生まれてから約14時間後のことでした。
その後、彼女が赤ちゃんと再会を果たしたのは、生後八日目のこと。そして、その時初めて、彼女の腕に抱かれた息子くんでした。
彼女と再開したイベントについての記事はこちらから。
(完)
代理母と私たち、出産後の関係はどうなっているのか。その話は、番外編で書きたいと思います。
【注意】
この記事は、2012年から2017年にかけて、私個人が感じたり、行動したりした体験談です。
全ての方に当てはまる事例ではありませんので、参考程度にお読みください。
〉〉〉番外編『【代理母出産経験者が語る】代理母とのその後の関係』
〉〉〉『【経験者が語る】アメリカでの代理母出産にかかった費用について』