【経験者が語る】アメリカでの代理母出産にかかった費用について

こんにちは。アメリカ在住、代理母出産にて、2017年に息子を授かったさっこです。
こちらに、代理母に挑むことになった経緯から子どもを授かるまでのストーリーが書いてあります。ぜひ、第1話からお読みください。
先日、このような質問を受けました。
「代理母出産には、いくらかかるのですか?」
ん〜。難しい質問です。
代理母出産と一言で言っても、全てのケースが違うからです。でも、何にお金がかかるのかは、わかります。ですから、それについて書いていこうと思います。
もくじ
費用の合計金額(私の場合)
ハッキリ書くと、誤解をうむ可能性があるので、このように言っておきます。
代理母出産にかかった費用の合計は、高級自動車が1台買えるくらいの金額
私たちの場合、すでに凍結受精卵があり、一回の移植で妊娠・出産することができました。そして、自分たちで代理母を探し、その方は幸運なことに近くに住んでいる方でした。そのようなケースのお話です。
さっこ
移植前にかかる費用について
体外受精にかかる費用
体外受精は、以下の4つに分類することができ、それぞれ、かかる費用が違います。
- カップルの卵子と精子から受精卵を作る
- 第三者から卵子提供を受けて、パートナーの精子と受精卵を作る
- パートナーの卵子と、第三者から精子提供を受けて受精卵を作る
- 第三者から受精卵提供を受ける
私たちの場合は、私の病気と関連していたので、100%保険会社の負担で、受精卵を作ることができました。使用したのは、夫婦の卵子と精子です。受精卵に関しては、凍結・保管していくための費用のみ自己負担でした。
さっこ
弁護士費用
初回電話相談は、無料のところがほとんどだと思います。
私たちの場合、
- 契約前の初回面談などは、時間で料金を計算されました。
- 契約後の料金は、パック料金が設定されていました。
- また、弁護士さんを通して代理母を見つけていただいた場合は、追加料金がかかりました。
さっこ
代理母の保険料
アメリカの場合、医療保険に加入していないと、想像を絶する金額の請求書が届きます。もしも、代理母を引き受けてくださる方が、医療保険に加入していなかった場合、あなたがその方のために医療保険を探し、加入させ、保険料を支払うことになります。
また、契約によっては、相手側の生命保険料も支払うことになります。
私たちの場合、彼女はパートナーの扶養に入っていたため、医療保険料はかかりませんでした。しかし、生命保険には、加入していなかったため、探すところから支払いまで私たちが行いました。
さっこ
代理母が使う諸経費
交通費やベビーシッター代、仕事を休んでもらう場合は、給料の保証まですることになるかもしれません。
私たちの場合は、交通費とベビーシッター代を実費で支払いました。
さっこ
病院による移植前検査費
これは、医療保険適応外です。
私たちの場合、病院側でパック料金が設定されておりました。
さっこ
カウンセリングについて
代理母出産を始める前の最後の審査が、カウンセリングです。
私たちの場合、カウンセラーさんの時給で計算され、お支払いしました。
さっこ
代理母の弁護士費用について
契約を結ぶ際、代理母側にも弁護士が必要になります。
私たちの場合、私たちの弁護士さんから、何人か専門の弁護士さんを紹介していただき、その後、代理母を引き受けてくださった方に選んでいただきました。
もちろん、彼女の弁護士にかかる費用は、こちらが負担します。
さっこ
ホルモン補充にかかる費用
ホルモン補充は、子宮内膜を厚くして受精卵が着床しやすい環境を作り出すために行います。
私たちの場合、それは、注射で行いました。約15週間にも渡る長期間のホルモン補充です。これも保険適応外でした。
さっこ
移植時にかかる費用
受精卵解凍にかかる費用
医療保険適応外です。
凍結している受精卵がある場合のみにかかる費用です。凍結受精卵を移送する場合は、それに伴う料金もかかると思います。
私たちの場合、Day1と呼ばれる状態で凍結されていた受精卵が15個ありました。それを解凍し、移植にふさわしいと言われているDay5の状態まで成長させなければいけませんでした。そのため、少し料金がかかりました。
Day5の凍結受精卵が一つの場合は、病院側のパック料金に含まれているそうです。
そして、使わない受精卵がある場合は、また凍結しなければならないので、その費用もかかります。
さっこ
移植費用
これも、医療保険適応外です。
私たちの場合、病院側でパック料金が設定されておりました。
さっこ
移植報酬
私たちの場合、移植完了から7日以内に代理母へ移植報酬をお支払いすることになっていました。
さっこ
移植後にかかる費用
代理母への生活補償費
私たちの場合、仕事を休んでいただく期間の給料保証、交通費などを含む諸経費を月定額でお支払いしました。
さっこ
妊娠生活にかかる諸経費
私たちの場合、マタニティーウェアー代、妊娠後期の家事代行費用をお支払いしました。
さっこ
妊婦健診に関わる医療費
代理母が加入している医療保険が適応になります。
私たちの場合、代理母が加入していた医療保険で、カバーしてもらえるまでの自己負担額がありました。
さっこ
出産費用
代理母が加入している医療保険が適応になります。
私たちの場合、代理母が加入していた医療保険で、全額カバーされました。
さっこ
妊娠・出産報酬
私たちの場合、赤ちゃんの心音が聞こえた時点から、月割で「妊娠・出産報酬」をお支払いしていく契約になっていました。
出産後は、7日以内に残金の「妊娠・出産報酬」をお支払いしました。
さっこ
その他、上記以外で予想される出費
渡航滞在費
代理母が遠くに住んでいた場合、どちらかが移動しなければなりません。そのための費用と滞在費がかかると予想できます。
私たちの場合、お互いが車で20分ほどの距離に住んでいたため、渡航滞在費はかかりませんでした。
さっこ
着床前診断
これも医療保険適応外です。
着床前診断は、受精卵の染色体や遺伝子を調べて、細胞内の先天性欠損症や、成長の遅れ、流産のリスクを高めることに関係している遺伝的な変化を見つけるために行います。
私たちの場合、着床前診断を受ける必要性を感じませんでした。
さっこ
おわりに
これを読むと、いのちをお金で買うのが代理母出産なんだと感じる方もいらっしゃるかと思います。
それも否定はできません。
でも、私は、こう考えます。
ものすごく大きな善意と並々ならぬ覚悟で手助けをしてくださる代理母には、このような保証があって当たり前。
彼女の人生の一部分を使わせていただき、それには、痛みもリスクも伴います。
これだけの費用がかかるということは、代理母出産を望む側も、簡単に挑戦できることではないし、簡単に挑戦してはいけないことだとも思います。
それでも、「親になる」一つの選択肢として、代理母出産があったことに、私たちはとても感謝しています。
冷凍庫の中で、この世に誕生する日を待っていてくれていた私たちの受精卵。誕生させることができて、心から幸せです。
今の私たちの願いは、この子が健やかに成長し、幸せな人生を歩むところを見届けること。
代理母を引き受けてくださったAさんには、何度言っても足りないくらいの感謝の気持ちがあります。
「Aさん、本当にありがとうございました。」
【注意】
これは、2015年から2017年にかけて、私たちが経験した代理母出産にかかった費用のお話です。全ての方々に当てはまる事例ではありませんので、参考程度にお読みください。
私たちが代理母出産に挑むことになった経緯から、出産、その後のことまで「体験談シリーズ」として綴っています。代理母出産にかかる費用だけではなく、「私たちが、なぜ代理母出産を選んだのか?」についても知っていただけると嬉しいです。
こちらから、ぜひお読みください。
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はじめまして。
実体験をこうして公表し、教えて頂けるのは
とても貴重で感謝です。
貴方が利用したエージェントはどちらでしょうか?
信頼出来るエージェント探しからが大変です。
このエージェントが良いなどありましたら教えて下さいませ。
かおりさん
はじめまして。コメントをいただきありがとうございます。
ご質問いただきました、エージェントの件ですが、私たちは、エージェントを通さずに全て自分たちで行いました。
エージェントを通さなくても代理母出産は可能です。
ただ、双方に弁護士を立て、正式な契約を交わしてから前へ進むことが重要だと思っています。
何かご質問があれば、「お問い合わせ」から個別にメッセージをください。
さとこ